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執筆者の写真計画 若宮

Don’t Look Back In Anger

更新日:2022年3月24日

※今回はメンバーの五島さんが「Don’t Look Back In Anger」について書いてくださいました。(若宮)


 ただこの曲のこのバージョンを聴いてくれ、というだけの話。


 自宅でふとした時にギターを手に取り適当に思いついたフレーズを爪弾くのだけど、たまにちゃんと何か一曲弾きたいなという時は既存の曲のコード進行をネットで調べることもある。


 2月23日の夕方。この時も適当に長渕剛が使ってそうなタカミネの黒いアコギを膝に乗せ、いつものように適当なリフやコードを弾きつつ、少し前にコード進行を覚えたレディオヘッドのNo Surprisesを弾き語りしていた。大体一回覚えたとしても、定期的に弾かないとすっかり忘れてしまうので、たまに思い出して弾くようにしている。もう一曲くらい覚えようと思い出したのがオアシスのDon’t Look Back In Angerだった。チェンソーマンなどの作品で知られる藤本タツキさんが昨年描いた読み切り漫画「ルックバック」のタイトルの元ネタではないかと話題にもなった曲だ。洋楽好きやバンドマンなら知らない人はいないであろう、オアシスど定番の名曲である。



 知らない人のために軽く紹介するとオアシスは1991年にビートルズ大好きなノエル・ギャラガー(ギター、ボーカル)とリアム・ギャラガー(ボーカル)兄弟が中心となり、イギリス・マンチェスターで結成されたロックバンド。聴きやすいメロディや曲の構成、視聴者に寄り添うような歌詞は労働者階級だった二人の背景も相まって多くのファンを獲得する。数々のヒット曲を生み出し、Don’t Look Back In Angerも収録されている1995年に発表した2ndアルバム「モーニンググローリー」は約30年間破られることのなかったビートルズの「サージェントペパーズ〜」が保持していた英国アルバム売り上げ記録を破り、その後も2009年に解散するまで計7枚のスタジオアルバムを発表。全てUKのチャートで1位を獲得している。

 いい感じの楽曲群とは裏腹にギャラガー兄弟の過激な発言や素行の悪さ、兄弟喧嘩を頻繁にすることでも有名で、福岡で過去2回実施されたライブではどちらも弟のリアムが途中退場してフルで公演を成功させたことがないという逸話も。2009年の解散も兄弟の仲違いによって兄ノエルが脱退した結果起きてしまう。


 そんなオアシスは丁度2枚組のベスト盤が出た中学生の頃に聴き始め、毎晩就寝時に2段ベッドでアルバムを聴きながら心地よく寝落ちしてはヘッドホンを幾つも壊していた。無海の波打ち際の音で始まるChampagne Supernovaなんかは目を閉じて寝ながら聴くと最高に気持ちいい。

 中3でエレキギターを弾き始めた頃も、オアシスの楽曲群は比較的シンプルなコード進行や王道のペンタトニックスケール(ギター初心者がよく最初に指のトレーニングのために覚える音階)を用いていたため、初心者がコピーして弾くのにも適していた。


 さて今回のタイトルにしたDon’t Look Back In Anger。ジョンレノンのイマジンのピアノが引用されたイントロから始まるこの曲の良いところは大勢でシンガロングすると最高に気持ちいいことである。実際数々のアーティストのライブでもカバーされており(YouTubeで検索したらこれでもかとカバー映像が出てくる)、2009年にオアシスが解散した同年のロッキンジャパンフェスティバルではラッドウィンプスがライブ1曲目にこの曲を演奏している。それくらい皆大好きな曲であり、尚且つ知っていて一緒に歌いやすい曲なのである。

 

 今回はただただこの曲を聴いて欲しいという思いだけでここまで書いている。そして普通にアルバムに収録されているのを聴くのではなく、ここまで読んでいただいた読者には是非ともシングル「Let There Be Love」のカップリングにのみ収録されている2005年のマンチェスタースタジアムのライブ収録バージョンを聴いていただきたい。他にも幾つかライブバージョンは存在するが、のっけからボーカルが聞こえないほどの大合唱で始まり、最後まで続く大合唱が聴こえるように収録されているのはこのバージョンだけなのである。1発目のサビなんてボーカルのノエルは一切歌わず観衆の声しか聞こえない。しかしそれが最高に胸を打つ。きっと頭から最後までオアシスが歌わなくても客は歌うだろう。肩を組み合い揺れながら大声で歌う大観衆が目に浮かぶ。SpotifyやApple Music、その他ストリーミングサービスでも多分聴けるし、何ならYouTubeで映像も見れる

 だが僕の希望としては、映像を見る前に是非とも耳だけで聴き、頭の中で色々と想像しながら聴いていただきたい。音源で聴いたらあとはいくらでも映像で見てくれていい。キャパ約6万人のマンチェスタースタジアムがパンパンのオーディエンスで埋まっている光景は圧巻だ。一体いつになったらまたこうやってスタジアムでギチギチになり、隣の人と汗が混じり合うくらいの一体感で楽しむ時間が来るだろう。余談だが今プーチン大統領に1番聴いて欲しい曲かもしれない。


 ここまで読んでも「なんだよ、ただのてめえのおすすめソングの紹介かよ」となった方には申し訳ないが、そこはDon’t Look Back In Anger(振り返って怒らないで)でお願いします。

 お後がよろしいようで。

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